今回取り上げるのは「ベジタリアンとにんにく」というテーマです。ベジタリアンの方は日本ではほとんど見かけませんが、世界的にはとても多くいらっしゃいます。そんなベジタリアンについての基礎知識や、にんにくの扱いについて解説していきます。
ベジタリアンの分類
ベジタリアンには「ラクト・オボ・ベジタリアン」や「ビーガン」「ベスクタリアン」など、さまざまな種類があります。これらベジタリアンは、可食物(食べられる物)が違います。
「獣肉」「魚肉」「卵」「乳製品」「蜂蜜」のうち、何が食べられるのかによってどの種類に属するかが変わってくるのです。
上記の3つのうち、ベスクタリアンの場合、獣肉以外はすべて可食物となり、ラクト・オボ・ベジタリアンの場合は獣肉と魚肉以外は可食物となります。一方、ビーガンの場合は獣肉も蜂蜜も、すべて食べることができません。
このビーガンと呼ばれる人々は革製品等も身につけません。それくらい徹底しているのです。
にんにくを食べないベジタリアン
このようにベジタリアンにはそれぞれ、いろいろなルールがありますが、にんにくについては食べる方もいます。一方、にんにくやニラなどを食べないベジタリアンもいます。
それが「オリエンタル・ベジタリアン」です。オリエンタル~の名の通り、これは東洋にルーツを持つ菜食主義であり、古来中国やインドなどで修行を積んだ賢者たちは、獣肉や魚肉などのほか、にんにくやニラなどのニオイの強い野菜を食べませんでした。
そういったニオイの強い五種の野菜のことを五葷(ごくん)と言います。仏家における五葷は、にんにく・ニラ・ヒル・ネギ・ラッキョウの5つです。五葷として扱われる野菜を耐えると、淫欲や憤怒が起こるということで、食べることを禁じたのです。
奥深いベジタリアニズムの世界
このように、普段私たちが「ベジタリアン」と一言でまとめてしまいそうなものにも、さまざまな種類が存在するのです。
オリエンタル・ベジタリアンの場合、にんにくが食べられないということなので、にんにく好きの方からしてみれば少し残念に思うかもしれませんが、そのような主義や思想にも理解を示すことが大切です。