にんにくが収穫されるのは1年に1回。
しかしそのにんにくも、スーパーマーケットなどでは年中見かけます。これはにんにくの生産者の方が貯蔵方法に工夫をしているためです。
今回は、そんなにんにくの貯蔵方法のコツにスポットを当てます。
温度コントロールが貯蔵のカギ
すべての食材に言えることかもしれませんが、にんにくの品質を保ったまま長期間貯蔵するためには「温度コントロール」が欠かせません。
にんにくの場合、マイナス2℃~マイナス1.5℃が貯蔵に最適とされています。そのような低温で貯蔵することによって、にんにくの芽や根の伸長を抑制することができるのです。また、適切な温度管理によって貯蔵されたにんにくには出荷後もその伸長抑制効果が発揮されるため、芽や根が出ていない状態で販売することができます。
一方、貯蔵温度がマイナス1℃以上になるとその効果が劣ってしまいます。たった0.5℃でも、貯蔵しているにんにくの品質に影響を及ぼすということなのです。
温度が低すぎるのも良くない
前述のとおり、わずか0.5℃の違いが及ぼす影響は大きいわけですから、逆に貯蔵温度が低すぎる場合も理想的な貯蔵ができなくなります。
例えば、マイナス3℃まで下がると低温障害が回避できなくなりますし、さらにマイナス5℃まで下がれば、低温障害だけでなく凍結までも回避できなくなってしまうのです。低温障害の影響が出たにんにくには、りん片表面がくぼんだり色が変わったりといった問題が出てきてしまいます。
家庭ではどう貯蔵する?
にんにくの産地では高性能の低温貯蔵庫によって貯蔵しているため、適切な温度コントロールが可能になります。しかし、ご家庭の冷蔵庫でそこまでの温度コントロールをするのは不可能と言えます。
にんにくの場合、常温保存ももちろんできますが、上記で指摘されている事実を踏まえれば、ご家庭でも低温での保存がオススメということになります。
そこで便利なのが冷蔵庫内にある「チルドルーム」です。チルドルームは約0~1℃で保存ができるので、冷蔵室(約3~5℃)で保存するよりもにんにくの品質を維持しやすくなります。また冷蔵庫の氷温室(約マイナス1℃)での保存も有効です。
そして大切なのが、「できるだけ早く食べ終えること」です。冷凍をしないのであれば、にんにくを使うペースにも少し注意してみましょう。