作物を栽培する上で、時に避けては通れない問題となりえるのが「害虫」です。
にんにくの場合、害虫による問題は存在するものなのでしょうか?そこで今回は「にんにくと害虫」というテーマで、情報をお届けしていまいります。
虫よけ作用もある「にんにく」
みなさんは「コンパニオンプランツ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
家庭菜園に親しまれている方であれば、おそらくはコンパニオンプランツについてもご存知のことでしょう。コンパニオンプランツとは「共生植物」「共栄植物」などとも言われもので、“互いに影響を与え合う植物”を意味する言葉です。
にんにくの場合、虫よけを目的としてコンパニオンプランツに選ばれることもあるくらい、「害虫に強い」というイメージのある作物ですが、そんなにんにくにも害虫は付きます。
にんにくに付く害虫~その1~
続いて、にんにくに付く害虫について紹介していきます。
・アブラムシ
「ネギアブラムシ」と言われる黒っぽいアブラムシがいますが、にんにくを特に好むのがそのネギアブラムシです。アブラムシは体が小さく、1匹ごとの吸汁(きゅうじゅう)量もそこまで多くありません。
しかし、アブラムシには繁殖力が強いという特徴がありますから、アブラムシを見つけたら放置せずにその場で駆除するようにしましょう。
・ネギコガ
ネギコガという害虫の卵がにんにくの葉に産み付けられると、その葉は食害に遭い、やがてかすり状になってしまいます。
こうしたネギコガの被害が発覚したとしても、葉の中へすでに侵入されているために、外から殺虫剤を噴射させても被害を食い止めることができません。こういった場合、ネギコガの被害が発生していると思われるスペース全体に殺虫成分が行き渡るようなタイプの薬剤(オルトラン水和剤、トクチオン乳剤など)を使用することになります。
にんにくに付く害虫~その2~
引き続き、にんにくに付く可能性のある害虫について紹介していきます。
・イモグサレセンチュウ
害虫被害などもなく無事収穫できたと思ったにんにくでも、イモグサレセンチュウという害虫の被害を受けていることがあります。もしこの害虫が寄生している場合、そのにんにくの鱗片は徐々に色が変化し、終いには腐っているかのような見た目になってしまうのです。
さらにイモグサレセンチュウのやっかいなところは、寄生した後はにんにくを栽培した畑の土にも影響しかねないという点です。そうなると完全に駆除することが困難になってしまいます。
これを防ぐためには、寄生が疑われる鱗片を取り除いてから栽培をすることが大切です。
このほかにも、にんにくに付く可能性のある害虫はまだ存在するわけですので、もしにんにくを栽培される際には害虫対策についての知識を身につけることも忘れてはいけません。