にんにくの栄養素はアリシンの他にも、その元となるアリインが変化した別の成分や、アリシンがさらに変化してできるほかの成分もあります。研究の結果明らかになったそれらの成分の効果も大変注目されています。
ジアリルトリスルフィドの抗酸化作用でがん予防
生のにんにくに存在する成分アリインが変化した成分には「ジアリルトリスルフィド」というものもあります。
アリインが切ったりおろしたりすることによってアリシンへと変化した後に、低温で加熱したり、オリーブオイルなど油に溶けだすとアリシンがさらに分解、結合していく過程でジアリルトリスルフィドという成分が発生します。この成分には非常に高い抗酸化作用があります。免疫力を高めたり、がん予防の効果があります。
また、同じときに発生するメチルアリルスルフィドには抗血栓作用があります。
スコルジニンの疲労回復、その他の効果
スコルジニンという成分には強力な酸化還元作用や、体内に摂りいれた栄養を燃焼させエネルギーにする効率をアップする作用があります。
筋肉に働きかけるため、心臓の筋肉に働きかけると心臓の拍動を強化したり、その他の筋肉に働きかけて筋力をアップさせる効果があります。
また血管に働きかけて、末梢血管を拡張することで新陳代謝を良くしたり、動脈硬化、血栓の予防、冷え性の改善効果もあります。
呼吸を促進したり、胃に入ってきた食物を消化するのを促進したりする働きもあります。
酸化還元作用の効果で体内の活性酸素を減らしたり、老廃物や毒素を酸化分解して大敗に排出する役目も果たします。
これらのスコルジニン作用が疲労回復や滋養強壮、食欲増進、解毒という結果として表れてきます。
アホエンの抗酸化作用とその他の効果
にんにくの成分アホエンの効果も注目できる一つです。
アホエンはにんにくを加熱するとその成分アリシンが分解して発生する成分です。50℃-80℃でアホエンへと変化します。アホエンは脂溶性のために、油でにんにくを100℃以下に加熱して利用するとより吸収が良くなり効果を発揮します。
アホエンにも高い抗酸化作用があり、活性酸素を除去するため、疲れにくくなるだけでなく、がんを予防します。血液をサラサラにしたり、コレステロール値を正常にしたりする効果もあります。それで動脈硬化や循環器の病気だけでなく、冷え性肩こり、肌荒れなども予防します。さらに、脳を活性化し、記憶力をアップさせたり、脳の老化を予防できますし、尿酸を減らす効果で痛風を予防できます。
アホエンの効果として研究結果が確立されていないものの、血栓防止、肝臓の保護、強心作用、ぜんそくを防いだり、HIV感染予防なども期待されているところです。