肝臓の働き
体内の化学工場と言われている肝臓。糖質、タンパク質、脂質の三大栄養素を分解してエネルギーに変換する非常に大切な役割を担っています。また毒素や有害物質、アルコールも分解して体外に排出しています。
肝臓でエネルギーが産生されたり、分解されている時には活性酸素も大量に発生します。この活性酸素は老化やガンなどの病気の原因となるのでできるだけ活性酸素を除去することが老化や病気を防ぐのに重要なポイントといえます。
活性酸素を減少させるために抗酸化作用のある物質を摂取することが非常に高い効果をもたらしています。
実は肝臓自身でもSODという酵素を作り出して活性酸素を除去する機能があるのですが、肝臓に負担がかかったり老化により働きが弱まるとSOD酵素が十分に産生されなくなります。
肝臓は沈黙の臓器ともいわれており、病気が悪化するまで症状が見えにくい器官ですから肝臓の機能を弱めないように十分な注意が必要です。
肝機能を強化するにんにくの糖代謝促進作用
肝臓の主な働きの一つに糖質の代謝があります。糖質の代謝には補酵素としてビタミンB1が必要です。ビタミンB1は非常に不足しやすい成分で、足りないと肝臓での糖代謝がスムーズに行われないために肝臓に負担がかかります。その負担を減らしてくれるのがにんにくです。にんにくの成分アリシンにはビタミンB1の吸収率を高める作用があるからです。
にんにくの抗酸化作用で肝機能改善
にんにくの抗酸化作用はアメリカのデザイナーフーズ・プログラムでガンを予防する最も重要性の高い食品に挙げられています。抗酸化作用とは細胞が酸化して活性酸素が発生するのを防ぐ作用のことです。にんにくの摂取によって肝臓で発生する大量の活性酸素を減少させてくれるのです。
にんにくの殺菌・抗菌作用
にんにくの殺菌・抗菌作用も肝臓の機能改善に効果があります。
肝臓では毒素や有害物質を解毒する働きがありますが、にんにくの成分アリシンやイオウ化合物の殺菌・抗菌作用によって細菌やウイルスその他の毒素を排除することができますから、肝臓の負担を軽くします。体内に入るとなかなか排出されない水銀でさえにんにくの成分アリシンと結合して体外へ排出されるといわれています。
さらににんにくの成分メチオニンには肝臓の解毒作用を強化する働きがあります。メチオニンとは必須アミノ酸の一つで肝臓を作る栄養素でもあるからです。このような良質なたんぱく質を摂ることによって肝臓の健康を維持するのに役立ちます。他にも有機ゲルマニウムというミネラルや酵素チオコルニンなどのにんにくの成分が肝臓をサポートしてくれます。
とはいってもにんにくは薬でも栄養剤でもありませんから、肝臓の強化や改善も補助的なものといえるでしょう。
にんにくの摂り過ぎで肝炎?!
にんにくの効果を凝縮したサプリメントを摂取して重い肝臓障害を引き起こしたという症例があります。にんにくの成分がもたらす効果の一つに血液をサラサラにする効果がありますが、身体の状態によっては気を付けないと血液を凝固させる力が正常よりもかなりの程度低下してしまい劇症肝炎を招いたしまうこともあるようです。にんにくの成分のみではなく卵黄やほかの成分も配合されているサプリメントですが、摂取の際には医師の診断を仰ぐなど十分な注意が必要です。