中国産のにんにくは国産にんにくに比べ味も落ちるため敬遠しがちですが、刻んで熱を加えると国産のにんにくとあまり味が変わらず、おいしく食べることができます。
しかし、中国産の安いにんにくをたくさん購入した場合、芽が出てしまうことがあります。そんな時にはにんにくを使った殺虫剤を手づくりすることをおすすめします。
にんにくには強い殺虫効果があり、家庭菜園には最適と言えます。にんにくの良いところは、植物にも人にもまったく害を与えないことです。
にんにくで殺虫剤を作る方法
農業に従事する人の多くは、独自の殺虫剤を自分で作っているようです。昔から潰したにんにくやにんにくの皮、茎などを水で煮て殺虫剤代わりに使っていたそうです。にんにくの殺虫成分は硫黄化合物ですが、上記のような簡単な方法で作った殺虫剤は数週間から数か月で効力はなくなるようです。
しかし、幼虫が繁殖する時期にスプレ―することである程度の効果を得ることができます。より効果的ににんにくで殺虫剤を作るには、次の様な方法があります。
- にんにくのかけら30個を細かく刻んで、小さじ2杯のパラフィンに24時間浸しておきます。
- 油性石鹸7gを600mlの水で溶かしてにんにくに加えよく混ぜ、こしてからガラスまたは陶磁器の器に保存しておきます。
- 20分の1から100分の1の濃度に希釈して植物にスプレーします。
にんにくで害虫を寄せ付けない方法
にんにくを栽培しているそばの花や木にはアブラムシがつかないと、庭師さんたちが口にするそうです。にんにくには害虫をよせつけないパワーがあるので、玉ねぎと交互ににんにくを植えると、玉ねぎにつきやすいタマネギバエを完全によせつけないことが分かりました。
どうやら、にんにくの根からある種の殺虫効果がある分泌物が出て、幼虫を退治するようです。美しいバラにはアブラムシがつきやすいのですが、バラの株元ににんにくをおいて置くと害虫がよりつかないと言われています。
また、果樹を植えた四隅ににんにくのかけらを置いたり、野菜畑のうねに並べておくことでも害虫がよりつかないようです。
にんにくの殺菌作用は植物にも効果的
にんにくは人や動物にとりついた寄生虫や菌を殺す力を持っていますが、植物に対しての殺菌効果も大いにあると言えます。
キャベツ、カリフラワーなどのアブラナ科の野菜を植える時に、にんにくをひとかけ入れておくと根瘤病にならないことが園芸家協会の実験で証明されています。(根瘤病とは非常によくある真菌感染症で、この病気におかされると根が奇形して腐ってきます)
にんにくの殺菌作用を科学的に証明する研究もすすみ、植物への防虫剤や殺菌剤としての効力も認められつつあります。可愛い花や生で食べる野菜に農薬ををかけることはためらってしまいます。
安価な中国産にんにくを上手に使い、家庭菜園を楽しむのはどうでしょうか。