お料理に使うとおいしくなって食べると元気が出るにんにく、唯一の難点は、においかもしれません。でも、実はにおいの元が栄養の基でもあるのです。風邪の予防になる、インフルエンザになりたくなかったらにんにくを食べると良いといったことが言われる由縁となっている成分です。
にんにくの臭いの原因は何なのか、どういった対策をとることができるのか、調べてみました。
にんにくのにおいの原因
にんにくのにおいの元は、アリシンという成分です。ただし、にんにくに元々含まれているのはアリシンではなく、アリインというアミノ酸とアリナーゼという酵素で、それぞれ別の細胞に含まれています。
にんにくを切ったり潰したりすると、アリインを含んでいる細胞とアリナーゼを含む細胞が破壊され、アリインとアリナーゼが出会うことになります。
アリインがアナリーゼに反応して変化してできるのがアリシンです。
アリシンには強力な殺菌・抗菌作用があります。アリシンは、体の細菌の中に入り込み、ウイルスの働きを抑えてくれます。風邪やインフルエンザなどにも有効に作用します。コレラ菌などにも有効であるという調査結果もあるほど、強力な抗菌作用を持っています。
アリシンは、にんにくのもつ薬効成分の中でも主たるものとなっています。アリインとアリナーゼはどちらもそれ自体は無臭です。にんにくが丸のままの状態ではにおわないのに、切るとにおうのはこのためです。
アリシンは硫黄化合物で、硫黄に似たにおいがします。アリシンは、体内に入って分解される過程でもにおいの元となるアンモニアやピルビン酸といったものを発生します。アンモニアは御存じのように尿などのにおいの元で、独特の刺激臭をもっています。ピルビン酸も酸味のあるにおいをもっています。
にんにくを食べると、食べた時に口の中がにおうだけでなく、食べた後半日から1日くらいずっと体がにおうように感じるのは、このためです。体内で吸収されるにつれ、他の成分と結合してにおいの元となっていくのです。