にんにくには、さまざまな効能があります。そのひとつに「殺菌作用」が挙げられます。にんにくというとスタミナやパワーのイメージが強いので、にんにくの殺菌作用といってもあまりピンとこない方も多いかもしれません。
さて今回は、そんなにんにくの殺菌力にスポットを当てていきます。
なぜにんにくには殺菌作用がある?
にんにくの有効成分であるアリシン。にんにくに注目している方にとってはすっかりおなじみですよね。実はにんにくの殺菌作用も、このアリシンによるものなのです。
アリシンは、チフス菌やサルモネラ菌といった多くの病原菌やウイルスに対して殺菌効果を発揮し、またそれらの働きを抑制する効果もあると言われています。
そしてこのアリシンは分解されると「ジアリルスルフィド」という成分が生じます。このジアリルスルフィド自体にも優れた殺菌作用があり、手術の現場では抗菌剤として使用されるなど、その殺菌力や抗菌力は信頼されています。
にんにくに備わる自己防衛機能
にんにくがこのようにして殺菌作用や抗菌作用を有するようになった背景には、害虫や細菌といったにんにくの外敵が存在します。
そのような外敵から身を守ろうと、にんにくは自己防衛機能を発揮します。その自己防衛機能こそ、にんにくが持つ殺菌力・抗菌力に他ならないのです。
そうしたにんにくの殺菌力を示す実験結果は数々ありますが、今回は以前スウェーデンで行われた実験について少し紹介します。
その実験によると、1日1,200mgのにんにくを摂取した被験者Aと、にんにくを摂取しなかった被験者Bとでは、被験者Aのほうが圧倒的にダニに刺されなかったといいます。にんにくの殺菌力は皮膚に対しても発揮されるので、それがこうした実験結果を生んだものと推察されます。
強い殺菌力があるがゆえの注意点
にんにくが強い殺菌力を持つのは、良いことばかりではありません。
あなたももしかしたら、にんにくを食べた後にお腹を下したことがあるかもしれません。これもにんにくの殺菌力が原因のひとつになっているんです。
にんにくに含まれるアリシンは刺激の強い成分でもありますので、それが刺激になってお腹が痛くなったり、さらにはにんにくの殺菌力によって腸内の善玉菌までも減少してしまったりすると言われるため、これらが重なり合ってにんにくを食べた後にお腹が下ってしまうことがあります。
もしそういった傾向がある場合は、にんにくの食べ過ぎに注意したり加熱してアリシンを減らしたりといった対策を取ってみてはいかがでしょうか。